学会沿革
1996年8月「日本学校音楽教育研究会」設立
学校の音楽教育の理想とそのあり方を研究する組織として、学校音楽教育に関心をもつ、大学の教員、大学院学生、小学校・中学校・高等学校・養護学校の教員、それに指導主事等の教育行政担当者の有志が集まり、1996年に「日本学校音楽教育研究会」を設立しました。
その設立の趣旨は、次に示すものでした。
設立趣旨
今、わが国の学校教育は、児童・生徒のいじめや不登校、学校週5日制に伴う授業時数の削減、指導内容の厳選、生きて働く学力の育成、等の問題や課題に対応するために、大きな変革が求められています。
こうした学校教育の変化の中にあって、多くの教師は悩みや不安を持っています。音楽科の教師の中にも教科としての音楽科はこれからどうなるのか、授業が今のままでよいのか、という疑問をもち、改善への手がかりを模索している人も少なくないと考えます。
一方、我が国の学校教育においては「教科教育実践学」の学問構築が時代の要請となっています。それは、従来の教育学・教育方法学・教科教育学が学校での実践と遊離したものになっていることや、社会状況の変化から学校教育に対する期待がこれまでのものとは異なり、それとともに各教科の存在意義や教科の再編成が問われるようになってきたことなどが要因となっています。このような時代の要請を受け、新構想大学を中心とする連合大学院博士課程においては、「教科教育実践学」のコースが設置され、教育実践に寄与するための新しい学問研究がスタートしました。
ところで、教育の主たる目的は、教育の実践を通じ子どもの人間的成長と発達を期待するところにあります。この目的のためには、理論研究が常に実践を想定し、実践に影響を与え役立つものであることと、教育実践が理論的根拠をもち、理論研究に対して情報や成果を提供し修正を図っていくことが望まれます。しかし、現在のところ、理論と実践とが有効に連携し、交流することが少なかったのではないかと思われます。このことは音楽科教育においても同様です。
そこで、学校の音楽教育に関係する大学の研究者と、教育実践者が一体となり、交流を深めて、研究と実践が相互に関連を保ちつつ、実践に生きる「音楽科教育実践学」の学問研究を推進していく必要があります。そのため「学校教育」、「音楽科教育」、「教育実践」の3つのキーワードを鮮明にした研究会として、これに関わる大学の教員、大学院学生、小学校・中学校・高等学校・養護学校の教員、それに指導主事等の教育行政担当者が、お互いの研究や実践を持ち寄り、学校種や立場を越え、同じテーブルで討論しながら、日本の学校教育における音楽教育の理想とあり方について、率直で真摯に語り合う場をもちたいと考えました。
1996年8月 初代代表理事 西園芳信
上記設立趣旨から、当面の研究課題は次の内容が掲げられます。
(1)理論と実践の統合
(2)音楽科の授業研究の方法
(3)学校教育における音楽科の役割
(4)指導内容とカリキュラム開発
(5)総合学習と音楽科
(6)「日本の音楽」の学習指導
(7)教材の開発
(8)音楽科と問題解決学習
(9)音楽の認知と学習
(10)指導方法の研究
(11)学力と評価
(12)障害のある子どもの音楽教育の実際と問題点
沿革史
以上示した設立趣旨に基づいて毎年1回全国大会を開くと同時に、その研究成果を出版し公表しています。
| 1996年8月 | 第1回大会(大阪YMCA国際文化センター) |
|---|---|
| 1997年8月 | 第2回全国大会(大阪国際交流センター) |
| 1998年8月 | 第3回全国大会(南大阪地域地場産業振興センター) |
| 1999年8月 | 第4回全国大会(洗足学園大学) |
| 2000年8月 | 「日本学校音楽教育実践学会」と改称 |
| 2000年8月 | 第5回全国大会(オリンピック記念青少年総合センター) |
| 2001年8月 | 第6回全国大会(奈良教育大学) |
| 2001年8月 | 学校音楽教育実践シリーズ1『日本音楽を学校で教えるということ』発刊(音楽之友社) |
| 2002年9月 | 日本学術会議学術研究団体に登録 |
| 2002年5月 | 学校音楽教育実践シリーズ2『音楽科と他教科とのかかわり』発刊(音楽之友社) |
| 2002年8月 | 第7回全国大会(名古屋芸術大学) |
| 2002年9月 | 学校音楽教育実践シリーズ3『障害児の音楽表現を育てる』発刊(音楽之友社) |
| 2003年3月 | 学校音楽教育実践シリーズ4『音楽の授業における楽しさの仕組み』発刊(音楽之友社) |
| 2003年8月 | 第8回全国大会(オリンピック記念青少年総合センター) |
| 2003年8月 | 学校音楽教育実践シリーズ5『思春期の発達的特性と音楽教育』発刊(音楽之友社) |
| 2004年8月 | 第9回全国大会(オリンピック記念青少年総合センター) |
| 2005年5月 | 設立10周年記念シンポジウム「子どもの情緒や感情の育成に学校の音楽教育はいかに 寄与する のか」開催(クレオ大阪西) |
| 2005年8月 | 第10回記念大会(大阪音楽大学) |
| 2006年1月 | 芸術(音楽と美術)教科に関する緊急シンポジウム「感性と心の教育に寄与する芸術 (音楽・美術)教科の役割と方法を問い直す」美術科教育学会と共催(オリンピック記念青少年総合センター) |
| 2006年8月 | 『生成を原理とする21世紀音楽カリキュラム』発刊(東京書籍) |
| 2006年8月 | 第11回全国大会(大阪樟蔭女子大学) |
| 2007年8月 | 第12回全国大会(くらしき作陽大学) |
| 2008年8月 | 第13回全国大会(オリンピック記念青少年総合センター) |
| 2009年8月 | 第14回全国大会(オリンピック記念青少年総合センター) |
| 2010年8月 | 第15回全国大会(岐阜大学) |
| 2011年8月 | 第16回全国大会(花園大学) |
| 2012年3月 | 『音楽科カリキュラムと授業実践の国際比較』発刊(音楽之友社) |
| 2012年8月 | 第17回全国大会(鳴門教育大学) |
| 2013年8月 | 第18回全国大会(お茶の水女子大学) |
| 2014年8月 | 第19回全国大会(熊本大学) |
| 2015年5月 | 設立 20 周年記念シンポジウム「学校における 伝統音楽教育のこれから」 開催(文京区シビックホール) |
| 2015年8月 | 第20回全国大会(大阪成蹊大学) |
| 2016年8月 | 第21回全国大会(北海道教育大学) |
| 2017年8月 | 第22回全国大会(聖徳大学) |
| 2017年8月 | 『日本伝統音楽カリキュラムと授業実践 生成の原理による音楽の授業』発刊(音楽之友社) |
| 2017年9月 | 『音楽教育実践学事典』発刊(音楽之友社) |
| 2018年8月 | 第23回全国大会(京都教育大学) |
| 2019年8月 | 第24回全国大会(畿央大学) |
| 2020年8月 | 新型コロナウィルス感染拡大のため中止 |
| 2021年8月 | 第26回全国大会(オンライン開催) |
| 2022年8月 | 第27回全国大会(オンライン開催) |
| 2023年8月 | 第28回全国大会(東京大会:国立オリンピック記念青少年総合センター) |
| 2024年8月 | 第29回全国大会(広島大会:広島女学院大学) |
| 2025年5月 | 設立 30 周年記念シンポジウム 「AI 時代における学校音楽教育の新たな意義」 |
| 2025年8月 | 第30回全国大会(大阪大会:大阪教育大学) |