代表理事挨拶
日本学校音楽教育実践学会 代表理事 清村百合子(京都教育大学)
日本学校音楽教育実践学会は、1996年に学校の音楽教育の理想とそのあり方を研究する組織として「日本学校音楽教育研究会」としてスタートし、2000年には「日本学校音楽教育実践学会」に改称し、学術団体としての実績を積み上げてきました。本学会の特徴は、学校の音楽教育研究に特化している点にあります。そのため、学校音楽教育に関心をもつ、大学の教員、大学院生、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の教員、行政関係者など、学校音楽教育に直接かかわる会員の皆様で成り立っています。
本学会は2025年に学会設立30周年を迎えました。この間、常に理論と実践の往還関係を重視し、継続的に実践研究に取り組んできました。その成果は出版物にもなり、日本の学校音楽教育に影響を与えてきました。2006年に出版された『生成を原理とする21世紀音楽カリキュラム』は「生成の原理」という理論的根拠をもった音楽カリキュラムとして、現場の音楽の授業を大きく変えました。その後、2017年には『音楽教育実践学事典』が出版され、学校音楽教育に関して共通の言葉をもって議論できるようになりました。また2024年には『音楽的思考を育てる資質・能力スタンダード』を出版し、理論的根拠をもった音楽科の授業実践という形で、音楽科で育成すべき資質・能力を提案してきました。
「理論と実践に裏付けされた音楽授業の創造」のために、日々の授業実践と子どもたちの音楽的成長を研究の主軸に据え、さらにはICT活用や教科横断的な学びなど新時代に対応した音楽授業の創造を積極的に行い、その成果と課題について全国大会などを通して発信しています。また全国に9つある支部は、地域に根ざした学校音楽教育のあり方を探究する組織として機能しています。各支部が地域の音楽教育を支える発信拠点となることで、広く音楽授業の創造・改革につながることを期待しています。
本学会の社会的使命は未来を生きる子どもたちのために学校の音楽教育をよりよいものへと発展させることです。そのためにも常任理事や支部理事、そして会員の皆様と力を合わせて学会運営に尽くして参りたいと思います。今後ともみなさまのご理解とご協力を、心よりお願い申し上げます。