前文
日本学校音楽教育実践学会(以下、本学会)は、会則第1章第2条の規定による本学会の目的をふまえ、日本学校音楽教育実践学会会員(以下、会員)が教育実践を対象とした研究活動を遂行するにあたり、教育実践に参加するすべての人の尊厳及び人権が守られ、研究の適正な推進が図られるようにするために、日本学校音楽教育実践学会研究倫理綱領(以下、研究倫理綱領)を制定する。会員は、研究倫理綱領の趣旨を理解し自己研鑚に努めなければなない。
基本原則
第1条 会員は、学校音楽教育に関する教育実践を対象とした研究において、教育実践に参加するすべての人の尊厳及び人権を最大限に尊重し、誠実・公正に行動する。
研究参加者・研究協力者の定義
第2条 本研究倫理綱領において、「研究参加者」とは、研究対象となる教育実践に参加し活動する未就学児・児童・生徒・学生・その他教育を受ける者を指す。「研究協力者」とは、研究を行う会員が教育実践者として教育実践を行うにあたり協力して研究に関与する者、会員の依頼を受けて研究対象となる教育実践の計画や研究授業などを行う教育実践者、あるいは研究に必要な情報の提供者を指す。
教育実践を対象とした研究の前提
第3条 会員は、研究参加者や研究協力者の人権及び実施する研究が社会に与える影響に十分配慮し、研究参加者や研究協力者に対して研究目的・研究内容を十分に説明し、了解及び同意を得なければならない。未成年者については、その保護者に対しても同様の説明を行い、了解、同意を得なければならない。
研究参加者や研究協力者に対する配慮事項
第4条 研究を行う会員は、研究参加者や研究協力者に及ぼす影響に配慮し、特に以下の項目について説明しなければならない。
①了解及び同意の可否によって研究参加者や研究協力者に対する評価や会員との関係に何ら影響を及ぼさない。
②同意した研究参加者や研究協力者は研究の途中で同意の撤回を申し出ることができ、その場合も何ら不都合は生じない。
③研究成果の公開(学会等における口頭発表や論文での公開等)における、研究参加者や研究協力者の個人情報の保護や教育実践の諸記録の管理に関する具体的な方法。
第5条 会員は、研究実施期間中の実践観察や記録のための撮影等において、研究参加者や研究協力者の活動が物理的あるいは精神的に侵されることのないように十分に配慮して研究を遂行しなければならない。
守秘義務
第6条 会員は、研究参加者や研究協力者の肖像権など個人情報の保護に努め、研究によって得た情報を適切に管理し、その機密性を保持しなければならない。
第7条 会員は、研究によって得た情報を、了解及び同意を得た目的に限って使用することができる。それ以外の目的で利用する場合には、改めて研究参加者や研究協力者に対してその目的を説明し、了解及び同意を得なければならない。
研究成果の公開にともなう責任
第8条 会員は、研究成果の公開(学会等における口頭発表や論文等)に際して、研究参加者や研究協力者の尊厳及び人権を最大限尊重し個人情報の保護に努めなければならない。
第9条 会員は、研究成果の公開に際して、教育実践の諸記録から得たデータの改ざんや捏造、他の教育実践の諸記録から得られたデータの盗用を行ってはならない。また、虚偽や誇張のないよう十分に留意する。
第10条 会員は、研究成果の公開に際して、著作権などの知的創造物についての権利を侵してはならない。また、専門的意見を公表する場合には、その根拠を明示するとともに、その根拠が持つ限界を明らかにしなければならない。
研究倫理問題調査委員会の設置
第11条 本研究倫理綱領に抵触する疑義がもたれる事態が生じた場合には、会員の研究活動の公正性を確保するため、常任理事会が研究倫理問題調査委員会を設置しその事態に対応する。研究倫理問題調査委員会の規程は別に定める。
附則
附則 本綱領は2020年10月1日より施行する。